スティーブ・ジョブズ氏を影で支えた禅僧・乙川弘文さん
アップル創設者のスティーブ・ジョブズ氏を影で支えた日本人禅僧
アップル創設者でiphoneの設計も手がけたジョブズ氏(1955年~2011年、享年56歳)が「生涯の師匠」と仰いでいる日本人禅僧の故人・乙川弘文さん(1938~2002年、享年64歳)を紹介します。
ジャーナリストの柳田由紀子さんが書いた著書「宿無し弘文」(集英社インターナショナル)を参考にしています。
乙川さんは、ジョブズ氏を影で支えた立役者とされ、ジョブズ氏自身も乙川さんを尊敬しているという間柄だ。柳田さんは、そんな乙川さんを長年、追いかけ、取材してきた。
酒に溺れ、家族の崩壊
結末から先に書くと、乙川さんは、海外で三回結婚し、5人の子供がいた。酒に溺れ、最後は娘と溺死したという。
新潟県出身で曹洞宗の名家で生まれ、福井県の永平寺で特別な禅僧として選ばれた。1967年、アメリカに渡り、本格的禅道場で修行し、学んだことを世界中に伝える活動を行ってきたそうだ。
欲にまみれたアメリカ社会
そんな中、60年代のアメリカではヒッピーと呼ばれる若者たちが「自由や自己」を求め、フリーセックスやドラッグに溺れていたのを見て、乙川さんは衝撃を受けたという。
禅僧の中には、そんな絶望的な社会に遭遇し、帰国したり、自らも堕落していくような僧侶もいたが乙川さんは一生懸命に人びとの救済方法を説いたという。
そんな姿にジョブズ氏は魅力を感じたというのだ。
マインドフルネス瞑想に影響
二人ともすでに他界しているのだがジョブズ氏と乙川さんがどのように交流していたかというと、乙川さんが禅を世界に広めていたところ、それに影響を受けてジョブズ氏も禅に熱心に取り組むようになったという。マインドフルネス瞑想の基礎を築いたと言われている。
利他心の生き方
このブログでは何回か書いているが、乙川さんが広めたことは利他心だといいます。「利他」とは、「自己だけでなく、自他のために人を助けたり、幸せを願う心」のことで仏教の教えにも当たる。
世界を見渡すと、独裁的な政治が台頭し、暴動などのデモが発生したり、戦争も起きている。日本も他人事では済まされない状況になってきている。
さらには、今回のコロナウイルスに加え、地殻変動による大災害が世界の日本のいつ、どこで起きてもおかしくないと言われている。
そんな時代だからこそ、乙川さんのような生き方から学べるものがあるように思う。
しかも、世界的に有名なあのジョブズ氏が影響を受けた思想だからこそ、僕たちに与える影響も大きいのではないだろうか。
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